TOEIC800点の壁【突破方法の紹介】
近年、多くの会社でTOEICの受験が推奨・義務化されています。
入社試験でTOEICの点数が重視されるケースが多いのはもちろんのこと、社内での昇格の要件になっている場合も増えているため、もはや多くの人が避けられない試験になりつつあるのではないでしょうか。
私は、主に法務コンプライアンス系のトピックを発信していますが、法務コンプライアンスのキャリアおいても英語力は非常に重要です。ある程度のレベルを超えてくると、あとは英語力の有無で年収が決まってしまうとも言えるでしょう。
私はとあるグローバル企業に所属していますが、特に海外経験を有しているわけでもないため、TOEIC(LR)の学習からスタートしてコツコツと英語力を高めているタイプです。
私だけでなく、多くの社会人にとってビジネス英語学習のファーストステップになることが多いTOEIC(LR)ですが、今回はTOEIC800点の壁やその突破方法についてお話したいと思います。
人によって壁は異なる
TOEICは990点満点の試験になりますが、どのスコア帯で伸び悩む(壁を感じる)かは、人それぞれのようです。600点前後で壁を感じる人もいれば、900点前後でようやく壁を感じる人もいるでしょう。
人それぞれとはいえ、比較的多くの人が壁を感じるフェーズがあります。それは800点を超えようとするフェーズです。
私も分かりやすく800点の壁を感じました。700点台の後半に入って、ほとんどスコアが伸びなくなってしまったのです。
もちろん勉強は継続していましたが、それでも伸び悩んでいました。リスニングを強化するとリーディングの点数が落ち、リーディングを強化するとリスニングが落ち…。
そんなことをしばらく繰り返していた私でしたが、少し勉強のアプローチを変えた結果、直近の受験で850点を取得することができましたので、その際に実践した勉強方法やコツをご紹介します。
リーディングは語彙力が全て
みなさんはTOEICのリーディングパートで一番必要な能力は何だと考えますか?
おそらく多くの人が速読だと考えるのではないでしょうか。あの制限時間を考えれば当然ですよね。私もそのように考えている1人です。
TOEICのリーディングは精読よりも速読が求められる試験で、おおよそ7-8割の意味が読み取れていれば、おおよそ正しい選択肢が選べるように作られていると思います。
つまり、文章の意味を正確に理解するのではなく、大意だけ読み取れば良いのです。その分、ひたすら高速で読むことが求められています。
基本的には、文章に含まれる単語のうち9割近くを理解していれば、その文章の大意は十分に掴めます。精読しないと細部までは読み取れませんが、そんなことはTOEICでは求められていないのです。
従って、単語(熟語)さえ分かってしまえば、あとはペースアップして読めば良いだけということになります。多少分からない部分があっても気にせず、ひたすらスピーディーに読み進めるのです。
問題になるのは、「単語が理解できない」というパターンです。
単語(熟語)が分からない場合、多くの人は文脈や文章の前後関係から意味を想像しようとします。この作業によって、TOEICのリーディングパートで一番重要である「時間」を消費してしまうため、これは非常に不効率なのです。
まとめると、基本的には語彙力さえ身につければリーディングパートを攻略できるはずなので、TOEICの公式問題集などに出てくる単語・熟語を徹底的に覚えましょう。
単語・熟語でつまづかずに文章が読めるようになれば、おそらくPart7の最後の方まで解けるようになると思います。
私が850点を取得したときには、Part7の最後の問題文を読み終えるところまではいけました。さすがに全て考えて回答できるほどの時間は残されていませんでしたので、3-4問は勘で回答した記憶があります。(いわゆる「塗り絵」と言われるやつですね)
リスニングは楽しく勉強する
TOEICのリスニングに関して、ネット記事やSNSで様々な攻略方法が紹介されています。
あくまで個人的な意見ですが、リスニングパートにおいては下手に攻略方法を意識しない方が良いです。
よく紹介される典型的な攻略方法は、「先読み」です。問題文を先に読んでからポイントになるところを重点に聞くというテクニックですが、私に言わせると、それに頼らないと正解できないようであれば、そもそもの実力(リスニング力)が不足していると言わざるを得ないです。
先読みは常に時間をリードして解かないと使えないテクニックですし、IPオンライン試験(後述)では使えません。
結局のところ、ベースとなるリスニング力さえあれば、先読みなんかしなくても解けるように作られているので、シンプルにリスニング力を向上させる方がかえって近道だったりします。
最終的に仕事で英語を使う場面においても、ベースのリスニング力が備わっていないと意味がありませんので、あれこれと攻略方法を意識するよりも、ストレートに「聞いて理解する力」を積み重ねていくことをお勧めします。
では、「そのために何をやったら良いの?」という点ですが、これは別に何でも良いと思います。重要なのは継続することなので、「これなら楽しんで続けられそう」と思う勉強法を選びましょう。
私は英語のYouTube動画をひたすら視聴していました。英語字幕入りのやつです。(字幕が無いと聞き取れなかったときに答え合わせができない)
それでも十分にリスニング力が向上します。たまにTOEICのサンプル問題に立ち返って解いてみると、明らかに正答率が上がっていました。
なお、TOEIC対策のネット記事や動画などで、たまに「ディクテーションやシャドーイングをしないとリスニング力は身に付きませんよ」と言っている人がいますが、あれは特に気にしなくても大丈夫です。
もちろん、ディクテーションやシャドーイングが向いている人には良い勉強方法かもしれませんが、「それをやらないとリスニング力が上がらない」ということは一切無いので安心してください。
私はディクテーションもシャドーイングも一切やらずに、リーディングパートで450点取得しています。900点超えを目指すのであれば若干事情は変わるかもしれませんが、少なくとも800点超えを目指す人にとっては必須の勉強方法ではありません。
繰り返しになりますが、リスニングについては「いかに継続できるか」に重きをおいて勉強方法を選択してください。
IPオンラインも試してみる
TOEICの受験形式は大きく分けて2種類あります。
一つは、「公開テスト」と言われるオンサイトで紙面で受験するタイプです。こちらが一般的にイメージされるTOEICですね。
もう一つは、「IPオンライン」と言われる形式で、自宅などからオンラインで受験するタイプです。原則として団体受験であり、法人経由で申し込む必要がありますが、語学学校などを経由して申し込むことができますので、自分が勤めている会社で対応していない場合でも受験可能です。
この「公開テスト」と「IPオンライン」では出題形式が異なり、IPオンラインの方が受験時間が短くなっています。その他にも色々と違いがあるのですが、ここでは割愛します。(ネットで検索すると詳しく解説されています)
重要なのは、どちらの形式も試してみることです。人によって「公開テストの方が得意」という人もいれば、「IPオンラインの方がやりやすい」という人もいます。私は明らかに後者でした。
どちらも同じ点数基準であり、少なくとも就職・転職においてはどちらが有利ということはありません。どちらも履歴書に書けるので、自分に合った形式を選ぶことをお勧めします。
ただし、IPオンラインの場合は公式認定証が発行されないので、その点だけ注意してください。
最後に
以上、TOEIC800点を突破するための勉強方法やコツをいくつか紹介しました。少しでも皆様の参考になれば幸いです。
これはどんな勉強にも言えると思いますが、重要なのは「ノイズを切り捨てる」ことです。
どんな学習や試験でも、その対策を生業としている人たちがおり、英語学習においては特にそういう人たちが多いです。彼らは基本的には「ビジネス」として対策・勉強を教えているのであり、必ずしも自分に合ったアドバイスをしてくれるとは限りません。
中には限りなく嘘に近いことを言う人すらいます。(前述のディクテーションやシャドーイングの件もその一つです)
そういったノイズを切り捨て、いかに自分に合う勉強方法を継続するかがポイントですので、外部からの情報収集は程々にして、常に自分と向き合うことが重要かと思います。
ネイティブでもない限り、英語学習に終わりはありません。私もまだまだ修行中の身ですので、一緒に地道に頑張りましょう。